美容師の歴史を知ると今の美容師が分かる。
今回は美容師の歴史をまとめてみました。
教科書的な事と、現代の情報も混ぜて説明させて頂きます。
美容師 誕生
日本で髪を手入れする仕事は江戸時代の丁髷を作ったり日本髪など『髪結に』始まりました。髪結師です。
明治時代になり、『断髪令』が出されると、髪結いのヘアースタイル文化だった日本から自由なヘアーに変わりました。
大正時代に入ると日本で初めての美容学校が誕生しました。
1913年『東京女子美髪学校』設立され様々なヘアスタイルが生まれました。今の様に美容師が確立したのは1957年、今から65年前に『美容師法』が誕生しました
ヴィダル・サスーン
イギリス生まれの美容師『ヴィダル・サスーン』が始めた『ウォシュ&ゴー」(カット&ブロー)の技術により現代のヘアカットの技術が定着しました。
それまでイギリスでは女性は美容室へ行き美容師にヘアセットをしてもらってから外へ出かけるのが一般的でしたが『ウォシュ&ゴー」(カット&ブロー)によって、自宅で髪を洗いドライする事で再現できるようになりました
日本ではイギリスに渡りヴィダルの技術を習得した人達が、日本の美容に広めました。(萩原宗、川島文夫、)現在はほぼ全ての美容師がヴィダル・サスーンのカットベースの技法を使ってます。
その後、パーマブームやカラーブームと発展してき美容師の技術が発展してきました。
カリスマ美容師 ブーム
1990年代後半 美容師の職業に注目される時期がありました。
『カリスマブームです』
芸能人を担当するスタイリストがテレビに取り上げられて、社会現象になる程のカリスマブーム。憧れる人々がカリスマ美容師に押し寄せました。
『シザーズリーグ』という番組は人気で有名サロンの美容師たちが一対一で技術を競いあい観客とゲストに投票してもらい、支持を集めた人が勝利するという番組です。
当時、ライバル美容師同士は新しい技術やオリジナルサービスなどをライバルサロンに公開する事がタブーだった時代に、マスコミを使い大掛かりにお披露目したのは衝撃でした。
また、代表的なカリスマ美容師の言葉に「美容師の価値を上げたかった」この言葉はこの時代の美容師や美容師を目指した人には刺さったと思います。
注目を浴びたのち知名度が有る美容師が、無免許美容師が見つかりカリスマ美容師ブームは低迷期に入ります。
集客率を上げたカット術
カリスマブームの後、美容師同士のセミナーやカリスマサロンでの有料技術やサロンワーク術など、情報が解禁されました。
表参道や原宿のサロンで無くてても、最新の技術や情報を提供できる様になり、カリスマサロンの美容師達が、地方のセミナーや海外の中国などに技術のセミナーが増えた時期でもあります。
(中国でセミナーを受けた現地の中国人美容師は当時の技法をベースにサロンを拡大してより技術の高い中国人美容師を増やしています。)
今まで、ヴィル•サスーンカットは、美容学校でもベースで有り、今まで技術情報を解禁しなかった、当時の最新レザーカットなどフランスのカット技術エフィラージュカット(フレンチカット)などが多くの美容師が学べる様になります。
日本の美容師の技術が向上した時期でもあります。
一方で当時のブーム時期に出回った集客率を上げたカット術で今後の美容師達が二極化したと思われます。
それは当時のカリスマサロンのでのカットマニュアル。集客と収益を目指した教育ですがカットの持ちを1週間で崩すカット理論です。
つまり1週間しか持たない切り方をしてデザインを重視で作る技術を広めた某カリスマサロンが広げた技術になり、より来店を上げる為にお客様の周期を縮める為のカット術です。
通常、サスーンカットベースをキレイに切れば、伸びた時も1ヶ月〜2ヶ月もつ切り方もあります。
このカット術は、当時のカリスマブーム時期に出てきた為、そのサロンで見習いをしていた美容師は当たり前の様に使ってます。そしてその美容師さんが、その技術をまたこれから育つ美容師達に教えています。
つまり、1週間カットベースしか保たないカット技術をベースにしている美容師と、ヴィダルサスーンベースをキッチリ学べている長持ちするカット技術をベースにしている美容師と二極化しています。
二極化した技術
二極化した技術(カットの技術)の違い
○ヴィダル•サスーン ベースカット
カットベースを細かく取り展開図ベースに引き出しカットを繋げて流れや丸み、またはなじみの有る形に納めるカット術です。
現在は、サスーンベースの後にエフィラージュカットやスライドカットを組み合わせて仕上げるのが支流です。
ベースがキレイであれば、1ヶ月持たせる事は可能です。また、髪が傷みにくいです。
○1週間デザインカット
セニングやレザーカットベースで長短と毛量なども同時に切る事ができる。またカットのスピードは速く、デザイン的に動きが出やすくなります。
カットは2週間でまとまりにくくなります。またレザーやセニングなど入れ方が下手な人がやると、カットでも髪が傷みやすくなります。(カラーなど良くする方にはおすすめできないです。)
薬剤の進化
2010年辺りで新たなカラーブームやデジタルパーマなど、その後、美容師は進化したと思われますが、同時に、カラー材、パーマ液やトリートメントなど薬剤も進化していきました。
カラーで言えば、昔はブリーチとヘアマニキュア、ヘアダイが支流で本当にダメージが大きかったです。パーマも同様優しい薬が増えてトリートメントもかなり進化しました。
同時にカラーやバーマ、縮毛矯正ななど流行った時代が重なり材料がよくなっているのにダメージが多いお客様が増える時期になりました。
最新のトリートメントで、カラーもナチュラルカラーだけど、同時に平均のカット技術。ですがハサミも昔より種類も増えてより痛みにくいシザーも出てきました。ドライヤーも熱焼けしないドライヤー。
より昔に比べたら美容師は難しい技術でなくても成り立つ様になってきった為、薬剤の進化と技術力が伴わ無い状態が起きてるのも事実だと思います。
結果、薬剤が進化しているのにも関わらずダメージが多いお客様が増える矛盾している現象が起きています。
美容師の技術が評価されるポイントが良い薬剤や良いカラー剤、トリートメント剤で評価される時代になっています。
新世紀美容師
美容師の歴史、昔と今の違いは大きく分けると教育と技術の多様化ですね。
美容師の歴史的技術。いまの新世紀美容師は全て覚えるとしたら大変な技術の量になります。
美容師ができた60年代は、新しい技術もシンプルで、カット&ブローだったりパーマ、ヘアダイ、ヘアマニキュア、ホットカーラー、ワインディング、ヘアアイロン(カーリーヘア)
90年に入りカットの技術が多様化、ヴィダルサスーンベースを元に、プラス、レザーカットベースやエフェラージ、エフェクトカット、トルネードカット、コンケーブ、インレイヤー、ブローテクニック、円錐ロッド、スパイラル、ハイライトカラー、縮毛矯正、デジタルパーマ、ヘアアイロン(リバース巻き)(内巻き)
2000年
ヘアーセット ヘアアレンジ エアウェーブ、ハホニコトリートメント、TOKIOトリートメント、髪質改善、超音波トリートメント、炭酸シャンプー、バイヤージュ、ハイカラー、バターカラー、波ウェーブ、韓国スタイル、等
歴史を見るとその時代で技術も求める技術など変わってきたのが分かります。
これまでの美容の技術の中から何を選ぶか?
誰に何を学ぶかも選べる。引き継がれる技術と無くなる技術は出てくると思います。
しっかり技術をアップデートしていく美容師
昔の技術をしっかり継続してく美容師
snsが発展して自信をアピールできる時代ですが、技術レベルは過去の美容師より技術不足の美容師が増えてます。
情報が多い分正しい技術を習得しすることが大切な時代になってると思います
これからの美容師は、どの美容師になるかでどの技術を習得するか、で技術の格差がより開く時代になると思います。
また海外に進出する美容師もこれから増えてくると思います。
ですが、海外で戦うのであれば、日本には歴史的にこれだけ多くの技術があります。日本に居る間に日本の美容の技術は海外でも評価は高いので身につけておいた方が良いと思います。
優秀な人ほど海外でトライする人は少なく無いです。
優秀な人が側に居るのであればその技術や知識、学べる内に習得しましょう。学べるうちに。